この世の終わりは知らないけれど、始まりを知っている。
2023年7月1日~7月9日までサンシャイン劇場で上演されていた舞台、「Arcana Shadow(アルカナシャドウ)」を観てきました。
於:サンシャイン劇場 2023年7月1日(土)~2023年7月9日(日)
作・演出:西田大輔
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— 学芸大青春 (じゅねす)【公式】 (@GD_Junes) 2023年6月30日
【#内田将綺】出演
舞台「Arcana Shadow」
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いよいよ明日7月1日(土)開幕!
内田将綺は源頼信役を務めます💪
チケットは当日引換券販売が
各プレイガイドで実施中です🎫https://t.co/le9x90M4jc#舞台アルカナ #学芸大青春 @Arcana_ShadowSt pic.twitter.com/ct64x8gNyL
応援しているダンスボーカルグループ・学芸大青春(ガクゲイダイジュネス)の内田将綺くんが出演する、
しかもこれが初舞台、ということで、
そんなん、観る!! 絶対に観たい!!!!! と意気込んで観に行ったのですが、
舞台アルカナシャドウのこと、めちゃくちゃ大好きになっちゃった。
・散る花のような潔さ
ほんとに・・・、公演期間だった9日間(たったの9日間!?)、
ずっとアルカナのことを考えていたし、千穐楽が終わった今でもなお、
毎日アルカナのことを考えているくらい、この作品に夢中になってしまいました。
公演中から「配信の予定はありません、DVD等の映像化の予定もありません」とアナウンスがされていたので、
観られるもの聴けるもの、すべてこの脳みそに焼き付けよう、という思いで観劇をしていたけれど、
そもそも観劇体験とは、今この場所・この瞬間にしか存在しないものだ、ということはわかっているつもりだけれど、
本当に寂しくて、名残惜しくて仕方なかった。
風のように、まるで散る花のように、パッと咲いて栄華を誇ったあと、みんなどこかへ行ってしまった、
そんな思いを抱かせる、夢の中に生きていたような9日間でした。(※全公演を観てはいないです)
舞台「Arcana Shadow」
— 舞台「Arcana Shadow」公式 (@Arcana_ShadowSt) 2023年7月9日
本日、千穐楽公演が無事幕となりました。
ご来場いただきました皆様、応援してくださいました皆様、本当にありがとうございました。#舞台アルカナ pic.twitter.com/T2bFX5dGVw
千穐楽の後、公式SNSにアップされたステージ写真。
そこにはもう誰もいなくて、あとに残った花びらだけが降り積もっていて、一抹の寂しさが胸によぎるのだけれど、
どこか晴れ晴れと、冴え冴えと、清々としてもいる。
この舞台も、このあとすべて解体されて、
役者さんやスタッフさんたちは次のステージへと進んでいき、
私たちの時間もどんどん流れていくのに、
心だけまだ、この四角く仕切られた舞台の上にあるような気持ち。
ここにぜんぶがあったんだな、
過ぎ去りし時も、今も、これから先の行く末も、全部ここにあるんだな。
・「諦めない」を貫いた凄さ
流行り病の影響がまだまだ無視できないでいる昨今、
この舞台の公演中にも二度、出演者の方が体調不良により何回かの公演に出られなくなる、ということがあった。
結果、残念ながら公演中止になってしまった回もあったけれど、
急遽代役を務められた方が、稽古期間1~2日(!!)という驚異的な熱量で役を仕上げられ、
千穐楽まで舞台を届けてくださった。
自分ではどうにもならない理由で幕開けを一緒に迎えられないことも、幕引きまで一緒に走れないことも、
どんなにか悔しいだろう・・・と、想像するだけでもつらくなるし、
代役を引き受けたお二人の並大抵ではない覚悟も、
無事に終わるまではおそらく内心に吹き荒れていたであろう恐怖も、本当に想像を絶する。
たまたま私は、代役のお二人が出ている公演と、オリジナルキャストの公演と、
全てのバージョンを観ることができた。
どの方も、その人にしかできない表現でその役を演じておられて、それぞれの魅力があって、
同じ役でも、演じる人が違うとこうも変わるものなのかと、とにかく、本当に本当に、驚いた。
生ものである舞台、演劇の凄さの片鱗を、少しだけ見せてもらった気がした。
奇しくも劇中に登場する、
勾陳「立ち上がる、何度でも」
頼信「諦めない、絶対に諦めない」
という台詞を、まさに体現するかのようなカンパニーだったな、と思いました。
表に出ている部分しか、私たちは見ることができないけれど、
めちゃくちゃ、はちゃめちゃ、苦労や涙や調整やドタバタもきっとあっただろうけど、
諦めわるく、映像には残らないその日その時だけのエンタメのために、
その日その時、その場に居ることを選んだ観客のために、
全力で公演を続けようとしてくださった皆さんのこと、忘れられない。
ありがとうございました。
したたかで、タフで、そして去り方のカッコイイ公演だったなぁ。
魅了された観客側としては、ぐるぐる、こねこね、ず~~っと作品世界のことを考え続けてしまうのだけれど。
もう一度頼信に会いたいよ~~~(鳴き声)
・エンタメに向かっていく気持ち
公演期間の前半は一人で通っていたので、誰にも何もネタバレの話ができずにウォー! と爆発しそうだったけど、
後半はじゅねフレ*1の友達と一緒に観ることができた。
「あの式神の『言の葉』は、アレだったのかな」とか、
「『冬の音』って、こういうことだったのかな」とか、
「将綺くんかっこよかった・・・」「マジでしぬほどかっこよかった・・・・・・」「会いたい・・・頼信にまた会いたい・・・・・・」とかとか、
観劇後にあれこれ考察っぽいこと(&脳直の感想)をしゃべりながら帰るのが、すごくすごく楽しかったなぁ・・・・・・。
観劇後の帰り道もそうだけれど、
開演前に劇場に向かっているときの気持ち、ロビーや客席で待つときの気持ち、
あの、ワクワクソワソワする感じ、これから楽しいことが待っているときの空気感がほんとにほんとに大好きで、
そういうものに向かわせてくれる、エンターテインメントを絶やさないでいてくれて、
届けてくれて、本当に本当にありがとうの気持ちでいっぱいになる。
舞台アルカナシャドウは、一度観ただけでももちろん心をグッとつかまれる面白さだったけれど、
二度、三度と観れば観るほど、多くのことに気づき、感じることも増え、
人それぞれの解釈が生まれるような、とても奥深くて骨太な作品だったなと思う。
でもやっぱり、時間が経つにつれてその記憶も少しずつ、おぼろになっていってもいるから、
順序だててストーリーを理解しようとしたり、物語の意味を解釈しようとするのは、
これ以上はあきらめることにしました。(っていうか、もうむり。不可能)
演者の姿や、躍動や、声や、音や、明かりや暗闇や、絵画のように美しかったシーンの数々を、
ずっと心の中にしまって、宝物みたいに、時々取り出してみたりしたいなぁと思います。
※整理整頓されないままの、心に浮かんだ感想以前の断続的なつぶやき(Twitter)をまとめたページはこちらです。まだきっと増える。
西田さんの舞台のにわか大ファンになったし、出演者の役者さんたち全員のにわかファンにもなった。ほんとにみなさん素晴らしかったなぁ・・・
上演中の客席では泣いてらっしゃる方もすごく多かったけど、私は「泣く」というよりは、「圧倒されて度肝抜かれる」のほうが先に来ちゃって、終始おどろいてた気がする・・・。
向こう1年くらいは、アルカナシャドウについて喋っていられると思う。
いや、でもそういえば私、15年以上前に観た大好きな舞台のことを今でも定期的に思い出してるから、10年ぐらいはぜんぜん余裕で喋れると思うな。
・内田将綺くん(源頼信 役)
また、源頼信役を演じた内田将綺くんについて。
ダンスボーカルグループ「学芸大青春(じゅねす)」のメンバーである彼は、普段は主に音楽活動をしています。
2020年頃に出演していた3Dドラマ『漂流兄弟』(←YouTube動画に飛びます)では、生身の姿ではないものの、動きも声もすべて本人が担当していて、その頃から演技が上手だなぁと思っていたし、
本格的にお芝居をやりたいと本人が考えていることも知っていたので、
今年4月に舞台への出演決定が発表されたときは、飛び上がるほどうれしかった。
舞台や演劇の世界に詳しくないばっかりに、今まで存じ上げなかったけれど、
調べれば調べるほど、今回の舞台はすごい方が演出をされるようだし、他の出演者も、人気も実力もある方々のようだし、行ったことはないけれどサンシャイン劇場も大きくて立派なホールのようだし、
推しの初舞台、なんか・・・・・・すごいやつなんじゃないかな?
というのが、最初に抱いた率直な感想だった。
初日公演の日、なぜかこちらまで緊張でガチガチになりながら劇場へ向かって、
開場中のステージの、神秘的で素敵な空間にワクワクしながら、でもそれ以上にドキドキしながら幕が開くのを待って、
オープニングシーンで、初めて将綺くんが舞台上に現れたとき、
震えないよう自分の体を抱きしめなければいけなかったくらい、感動をした。
最初のほうこそ、舞台に登場するたびに(将綺くんだ・・・!)(将綺くんだ・・・!)って心の中で思っていたけど、
だんだんと(頼信だ・・・)(頼信、つらいね)(頼信がんばって・・・!)と、
心の中でも「頼信」って呼ぶようになっていたのが、すごいな、と思った。
舞台への意気込みや、稽古が大変だけど楽しい、みたいな内容のことは、
折に触れてファンに対しても語ってくれていたけど(ちょうど開催中だったライブツアーや生配信などで)、
具体的にどんなことを考えて、どんな風に稽古に取り組んでいたのかは、(当然だけど)知らないままでいた。
でも、本番での舞台上の彼を観ただけでも、真面目に、真摯に、取り組んで、考えて考えて、
源頼信という役を大事に育ててきたのがわかるような気がした。
役者として大先輩な共演者の方々の、すんごいお芝居にもくらいついて、学んで、吸収して、
公演期間中にもどんどんどんどん進化していっているのが、見えるような気がした。
カーテンコールでの様子を見ていても、素敵な人たちと、素敵な時間を過ごしているんだな、というのが感じられた。
7月5日公演後にあったアフタートークで、作・演出の西田大輔さんが、
「台本は当て書きをしているから、(出演者の)みなさんがいなかったらこの作品は生まれなかった」
といった内容のことを話しておられたのが、すごく印象的だった。
生真面目で、一本気で、繊細だけれど信念は揺るがない頼信というキャラクターは、
(役柄と本人とを、安易に同一視することはしたくないと思うけれど)
やっぱり、あまりにも将綺くんだなぁと思ったし、
今の将綺くんにしか演じることのできない頼信だった気がする。
学芸大青春の内田将綺くんには、また会える機会があるけれど(この夏はフリーライブもイベント出演もいっぱいある! ヒャッホー!)、
アルカナの源頼信にはもう会えないの、ほんとにほんとに寂しすぎる。めちゃくちゃロスです。それぐらい大好きになった役柄だった。
大好きだな、これからもずっと見続けたいな、応援していきたいな、と思っている人が、
努力を続けて、活躍の場所を広げて、そしてそこで輝いていて、
そんな場面を目撃することができたのは、なんていうか、
涙が出るほど幸せだな、と思った。
ただのファンがこんなこと言うのもおこがましいけれど、誇らしいなって思います。
いつもいろんな景色を見せてくれて、本当にありがとう。
この先も、舞台の上で誰かの人生を生きる将綺くんの姿を、きっと見せてください。
応援してるよ〜〜!!
・データなど
◆キャスト(敬称略)
・芦屋道満:林一敬(ジャニーズJr.)
・望月(あらまほし):伊波杏樹
・安倍晴明:松島勇之介 ※7/7~7/9の代役:村田洋二郎
・十六夜童子:西銘駿
・藤原伊周:安西慎太郎
・杠(ゆずりは):木﨑ゆりあ ※7/1~7/2の代役:田中良子
・源頼信:内田将綺(学芸大青春)
・賀茂忠行:小澤雄太(劇団EXILE)
・平致頼:栗山航
・藤原道長:鈴木勝吾
アンサンブル
・書川勇輝
・本間健大
・和田啓汰
・田上健太
・中土井俊允
・土居健蔵
・海本博章
・成瀬広都
※クレジットにはありませんでしたが、藤原道隆役として佐久間さんという方が出演されていました(アフタートーク情報)。
◆Introduction(公式HP*2より引用)
――この国には、空白の354年間が存在している。
卑弥呼という名が、魏によって記された239年から、
聖徳太子が摂政になり、治世を行い始めた593年までの期間、
歴史書には文献も資料もただ一つも残されていない。「その時間を、たった一人知る男がいる。陰陽師・蘆屋道満である」
―――平安末期。二人の陰陽師がいる。
不世出の天才と呼ばれ、平安藤原氏全盛期の頂点である藤原道長に仕えた、陰陽師・安倍晴明。
そしてもう一人。
貴族ではなく「民間」の出自で、安倍晴明によって、常に「悪の道満」と人々に揶揄されてきた、
権力や治世に興味のない男、蘆屋道満。この物語は、現代と全く違う視点から描かれた陰陽師「蘆屋道満」が手にしていた九つの秘密、
そして晴明との戦いを通じて、平安末期にはびこる京の闇を駆け抜ける、
新たな絵巻物である。
◆観劇した回
・7月1日(土)夜公演(初日)
・7月2日(日)昼公演 / 夜公演
・7月5日(水)昼公演 & アフタートーク
・7月8日(土)昼公演 / 夜公演
・7月9日(日)昼公演(千穐楽)
・オマケ
キャラクタービジュアルが公開されたあたりの時期に、楽しみでウズウズしすぎて行ってきたところ
◆源氏が篤く信仰したといわれている岩清水八幡宮
御朱印帳が可愛らしかったので、御朱印集めの趣味が復活しました
◆晴明神社
晴明、道満、道長が登場してた
↓ 観劇期間中にこちらにも参拝したかったけど、まったく時間がなくて断念・・・
源頼信が創建したといわれている西久保八幡神社
ここまで読んでくださって、ありがとうございました!